東京都港区の増上寺(ぞうじょうじ)へ参拝してきました。増上寺は、東京タワーのすぐ近くにある寺院で、徳川将軍家の菩提寺として徳川家とゆかりが深い寺院です。
御由緒
増上寺の御由緒です。
酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)上人によって、江戸貝塚(現在の千代田区平河町付近)の地に、浄土宗正統根本念仏道場として創建されました。
その後、1470(文明2)年には勅願所に任ぜられるなど、増上寺は、関東における浄土宗教学の殿堂として宗門の発展に寄与してきました。
増上寺公式ホームページより引用
また、増上寺は徳川将軍家の菩提寺でもあります。
家康公が関東を治めるようになってまもなく、徳川家の菩提寺として増上寺が選ばれ、家康公はご自身の葬儀は増上寺で行うように遺言を残したそうです。
増上寺の徳川家墓所には、二代秀忠公、六代家宣公、七代家継公、九代家重公、十二代家慶公、十四代家茂公の6人の将軍の墓所があります。
家康公の墓所は…日光東照宮ですね。日光東照宮は子供の頃に行った記憶がありますが、また参拝したいなぁ。
宗派
- 宗派 浄土宗
- 山号 三緑山
浄土宗の本山は7つあり、増上寺はそのうちの1つです。
参拝記録
三解脱門
増上寺といえば、境内に入る前にまず驚くのが、この大きな門です。
こちらは正式名称は三解脱門(さんげだつもん)といい、重要文化財に指定されています。
三解脱門の解説です。
なるほど、「むさぼり、怒り、愚痴」の3つから開放されて自由になることを目指すわけですね…。よし、やってみるか…!
三解脱門の解説の教え通り、心を穏やかにしつつ増上寺の境内に進みましょう。
必要以上に穏やかな表情をうかべながらくぐったので、傍から見たらちょっとキモかったかもしれないです…!w
境内にはいってすぐ、増上寺の案内板がありました。
また、案内所でパンフレットもいただきましょう。パンフレットにも同様の地図、さらには各スポットの解説文も載っていますよ。
水盤舎
三解脱門をくぐって左側に手水舎がありました。
手水舎は様々な名称で呼ばれますが、増上寺では水盤舎と呼ばれているようです。
ちなみに、水盤舎にはこんな注意書きがあったのですが…
飲み水ではないので口に含まないで、とのことでしたが、海外から旅行できているであろう男の子達がおもいっきり口に含んでいました…。大丈夫だったかな…。
英語や中国語での注意書きもあるといいかもしれないですね。
鐘楼堂
水盤舎の正面には、鐘楼堂があります。
この鐘は、東日本では最大級であり、江戸三大名鐘の一つとされています。
江戸三大名鐘は諸説あるようなのですが、増上寺の公式HPでは、ここ増上寺、上野の寛永寺、浅草の浅草寺の鐘という説が紹介されています。
寛永寺も浅草寺も以前参拝したことがありますが、鐘に関しては「あぁ、立派だなぁ~」ぐらいの小学生並みの感想しかもっていませんでしたw
また今度、あらためて鐘をまじまじと見ながら参拝してみたいです。
大殿(本堂)
では、本堂へ向かいます!
増上寺の本堂は、大殿(たいでん)と呼ばれています。
うーん、でかい!境内の広さ、大殿の大きさ、背後にそびえる東京タワーで、距離感がおかしくなりそうですw
大殿には、御本尊の阿弥陀如来が祀られており、浄土宗の主要な法要行事はこちらで執り行われます。
撮影はしていませんが、内部はすごく広く、ご祈祷の時は何人ぐらい座れるんだろう?と思いました。
安国殿
本堂への参拝に続いて、本殿の右側にある安国殿(あんこくでん)へ向かいます。
安国殿は、浄土宗の開祖である法然(ほうねん)上人の命日から800年を記念し、平成22年に新しく建立されたものです。
建立されてまだそれほど年数が経っていないため、お堂はとてもキレイでした。
これから年月を重ねて、歴史を感じる建物になっていくのだと思います。
安国殿には、徳川家康公が深く崇拝していた秘仏、黒本尊が安置されています。
なお、黒本尊は普段は見ることができません。
正月・5月・9月の15日のみ実際に拝見することができるようです。
ちなみに、普段は公開されていない御本尊や秘仏を、一定の日・期間のみ見ることができることを、御開帳(ごかいちょう)と言います。
なお、御朱印は大殿ではなく、こちらの安国殿でお受けできます。
お守り等もこちらで販売しています。
安国殿の向かって右手には、西向観音菩薩を祀るお堂があります。
西向観音菩薩は子育て・安産のご利益があるそうです。
こちらから、徳川将軍家の墓所へ向かいます。
鋳抜門(いぬきもん)です。この奥に徳川家の墓所があります。
なお、墓所には鋳抜門のすぐ左の受付で拝観料500円を納め、門の横の入り口より入ることができます。鋳抜門を開けて入ることはできませんので、ご注意を…。
大殿を中心にして、反時計回りに進んでいきます。
次に見えるのは、大納骨堂です。
有縁無縁のご本骨、ご分骨が納められています。
ご供養のため、お線香をあげました。
ちなみにお線香は、ご自身でお持ちでない場合には、安国殿の手前で販売しています。
圓光大師堂
さらにすすむと、圓光大師堂(えんこうだいしどう)があります。
浄土宗の開祖、法然上人を祀るお堂です。
お堂は平成21年に竣工したもので、安国殿と同様にキレイでした。
光摂殿
大殿へ戻り、次は大殿の左にある光摂殿(こうしょうでん)へ向かいます。
光摂殿は、「心を洗い、生きる力を育てる」ための道場として、平成12年に完成した建物で、1階には講堂、3階には大広間を備えています。
心を洗い、生きる力を育てる…、ものすごくポジティブな感じのコンセプトですね。
慈雲閣
光摂殿からまっすぐ下ると、慈雲閣(じうんかく)があります。
こちらのお堂は、増上寺を創始した酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)上人を祀っていて、戦災で消失した開山堂(かいさんどう)を再建したものです。
再建の企画・建設は平成元年から行われたそうなのでまだ新しい…と思ったものの、もう平成って30年なんですね。そりゃあ私もおじさんになりますわ…w(⇐昭和生まれ)
と、平成30年にちょっとショックを受けつつ、増上寺のお堂はひととおり回ってみました。
増上寺の境内は他にも、法然上人が詠んだ唄の石碑や、
18代アメリカ大統領グラント将軍が植えたグラント松、
41代アメリカ大統領のブッシュ大統領が植えた槇
などなど、見どころがたくさんありました。
御朱印
増上寺でお受けした御朱印です。
御朱印は安国殿でおひとつ300円でお受けできました。
大殿に祀られている阿弥陀如来の御朱印です。
安国殿に祀られている黒本尊の御朱印です。
西向聖観音菩薩の御朱印です。
西向聖観音菩薩は、江戸三十三観音の礼所のひとつとなっています。
さらにもうひとつ、写経をすると南無阿弥陀仏の御朱印もお受けできるそうです。
写経はもう少しレベルアップ(←?)したら是非チャレンジしたいですね。
所在地・アクセス
所在地 東京都港区芝公園4-7-35
アクセス
- JR線・東京モノレール「浜松町駅」から徒歩10分
- 都営地下鉄三田線「御成門駅」「芝公園駅」から各徒歩3分
- 都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅から徒歩5分
- 都営地下鉄大江戸線「赤羽橋駅」から徒歩7分
- 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」から徒歩10分
さすが浄土宗の7大本山の1つ、そして東京タワーのすぐ近く。
いろいろな路線を利用して来ることができますね。
数あるルートの中でも特に私は、都営地下鉄浅草線「大門駅」のA6出口から増上寺へ向かうルートをオススメします。
大門駅A6出口から地上へ出て少し歩くと増上寺の総門があり、こちらを通って参拝を始めることができます。
増上寺は、まずスタートの三解脱門から始まり、広い参道、大殿がとてもスケールが大きく、圧倒されました。
さすが徳川家の菩提寺ですね。
三解脱門は以前に何度か前を通ったことがあり、そのときは増上寺という名前も知らず、「すげぇでかい門だな」ぐらいしか思っていなかったのですが、寺社めぐりに興味を持ち、しっかりと参拝して、良い経験ができました。
以前に増上寺の前を通ったときは夜だったのですが、暗い時に見る三解脱門もなかなか迫力があってオススメですよ!